君に恋した
憂鬱な気持ちのまま数日が過ぎた。
「おい春瀬!!」
『何?』
学校ではお兄ちゃんは私を春瀬と呼ぶ。私も中村先生と呼んでいる。
「何じゃないだろ。進路希望だしてないのお前だけなんだよ。」
『まじ?』
「放課後進路相談室に来い。」
『はーい。』
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――
「香凛居残り?」
『まぁそんなとこ。』
「へぇ~じゃあ私帰るね。バイバイ~」
『じゃあね。』
美桜を見送ってから進路相談室に行く。
コンコン
『失礼します。』
「早くこっち座れ。」
『はーい。』
「で、お前はどうしたいんだ。」
『別にやりたいことないし。』
「あのなぁ……」
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―――
――
そんな感じで、2時間くらい面談もどきをした。
『これさぁ家でやってもよかったんじゃない?』
「家には資料が無いからな。うわ、もう5時じゃねぇか。今日忙しいから帰るの遅くなる。」
『了解。じゃあ帰る。』
――――
―――
――
『あ~ぁ長かった。あれ?携帯忘れた。教室かなぁ?』
そう言って、教室に向かうと……
『ん?誰かいる…。』
そっと教室を覗く。
『………!!』
そこには蓮と鈴原奈々がいた。