君に恋した
『うん。』
蓮がこっちに歩いてくる。
「俺も好きだよ。」
そう言って抱きしめてくれた。
初めて蓮に触れた瞬間だった。
蓮の腕の中はとても暖かくて、そして心地よかった。
そっと蓮の背中に手をまわす。
『大好き。』
パチパチ―――
どこからともなく拍手が聞こえてきた。
そして、クラスのみんなにすごく冷やかされた。
特に蓮が。
そんな光景を見ていたら自然と笑顔になっていた。
「香凛、なんかすごいことになっちゃったけどおめでと。」
『うん。ありがと。』
「あ、春瀬さんが笑ってる。」
「本当だ。初めて見た。」
クラスメイトのその言葉に蓮が私の顔をのぞきこんできた。