君に恋した
恋人
放課後―――
「じゃあね香凛。」
『ばいばい。』
「香凛。一緒に帰ろ。」
『うん。』
蓮と二人で教室を出る。
すると、中村がいた。
「お前ら、うまくいったみたいだな。」
『うん。』
「せ、先生。あの……」
「香凛を泣かせんなよ。じゃあな。」
「はい!」
そう言うと、手をふりながら去っていった。
『カッコつけちゃってキモい。』
「そんなこと言うなよ。」
そう言いながら、学校を出る。
「香凛。手、つながない?」
『……いいよ。』
私の返事を聞くと、蓮はそっと手をつないでくれた。