君に恋した
『はぁー。』
学校を出て、家までの道のりをのんびり歩く。
ふと、この前子犬の捨てられていた空き地に立ち寄る。
『引き取ってもらえてよかったね。』
そう呟く。
私は引き取ってもらえなかったから…。と付け足して、家へと歩き出す。
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家に着いても特にやることはなくて、ベッドに横になる。
"香凛ちゃんの笑顔が見たいから"
『うざい。』
最後に笑ったのはいつだろう。
生まれてから、本気で笑ったことがないかもしれないな…。
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