君に恋した


「えぇ。でも、私が俊哉より仕事をとってしまったの。」



前にお兄ちゃんが言ってた"忘れられない人がいる"とは、篠原先生のことだったんだ。



『先生は後悔してますか?』




「後悔してないと言えば嘘になるわ。でも、後悔しないように仕事を頑張ってるって感じね。」



そう言った篠原先生の顔はすごく切なそうだった。




『まだお兄ちゃんのことが好きなんですね…。』




「え!?……そうね。この前久しぶりに会ってやっぱり好きだと思ったわ。」




『元には戻れないんですか?』




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