君に恋した


「あなた、香凛なの?」



『……そうですけど。』



「本当に香凛なのか?」



さっきまで黙っていた男の人が聞いてきた。




「だから、あなたたちは誰ですか?」




蓮が再び聞く。



「私たちは……」



女の人が言いかけたとき



「何してるんですか!?」



『お兄ちゃん。』



「香凛には会わないでくださいって言ったじゃないですか!?」




「「………。」」




「帰ってください。」




そう言って、私の腕を引っ張って学校の方に歩き出す。



――――
―――
――



『バカみたい。』




「どうした?香凛。」




『あの人たち自分が産んだ子供の顔もわかんないなんて。アホくさ。』



「そうだな。」



< 247 / 292 >

この作品をシェア

pagetop