君に恋した
少し走ったところで、足を止める。
「香凛!!」
すぐに蓮が追いかけてきた。
『………。』
「大丈夫?」
『大丈夫じゃない。本当にあの人たちが親かは分かんないけど、すごくイライラする。』
「うん。」
『あの人たちのせいで私はいじめられたりしてきたんだよ!親がいないからってバカにされて…。私はずっといらない子なのかなぁって…。死んじゃえばいいんだって何度も思ったんだから!』
ここが外だということも忘れ叫ぶ。だんだんパニックになってきた。
そんな私の頭を優しく撫でてくれる蓮。
「うん。」
『ずっと苦しい思いしてきたのに、今らさ、目の前に現れるなんて…』
そう言うと、蓮が抱きしめてくれる。
蓮に抱きしめられると、とても落ち着く。