君に恋した

受け入れられぬ思い



一人になると、さっきの出来事を思い出す。



自分の両親…。



初めて会った。



私はどうしたらいい?



どうしても受け入れられなかった。




ぼーっと考えていると、ドアが開く音がした。
お兄ちゃんが帰ってきた。



「香凛。大丈夫か?」



『なんかどうしたらいいかわかんないよ。』



「そうだな。」



『ねぇ。本当に私たちの親なんだよね…?』



「あぁ。俺らと血の繋がった親だ。」



『………。』



「なぁ、香凛。決着つけないか?」




『え…?』



「このままだと、俺たちは一生苦しむことになる。一生親に捨てられた子のままだ。」




『うん……。』



「週末、両親に会う約束をした。香凛も来い。」



『分かった。』



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