君に恋した

右頬に痛みがはしった。




「香凛!!大丈夫!?」




"殴られたんだ"と理解したのは、殴られた数秒後だった―――




「白石君もやめなさい!!」




そして、私は教室から連れ出された―――





「とりあえず、ここにいなさい。」


と言って連れてこられたのは保健室だった。




パタン―――




私をおいて、先生はどこかに行ってしまった…。




一人になったとたん、悔しくて、今まで堪えていた涙が溢れてきた。




『うっ、うー……ヒック』





"お前なんか誰からも必要とされてないんだよ"




必要とされてない。




じゃぁどうして私は存在してるんだろう?―――




『う、うわぁ―――!!』




もうどうしたらいいのか分からない。




そうだ。消えちゃえばいいんだ。



< 37 / 292 >

この作品をシェア

pagetop