君に恋した
『なんですか?』
「"なんですか?"じゃないだろ。数学の課題プリント出してないのお前だけだぞ。」
『あ、忘れてました。』
「とりあえず、提出してから帰れ。」
『はーい。』
教室に戻って、机の中をあさる。
『これか。超めんど。』
カキカキ……
―――
――
―
『終わったー。もう5時か。』
重い腰を上げて、職員室に向かう。
コンコン
『失礼します。中村先生終わりました。』
「ご苦労さん。お前、やれば出来るんだからちゃんとやれよな。」
『はい。』
「じゃぁ気をつけて帰れよ。」
『さようなら。』
職員室を出て外の様子をうかがう。
雨はやむ気配はない。