君に恋した

『なんですか?』

「"なんですか?"じゃないだろ。数学の課題プリント出してないのお前だけだぞ。」

『あ、忘れてました。』

「とりあえず、提出してから帰れ。」

『はーい。』

教室に戻って、机の中をあさる。

『これか。超めんど。』

カキカキ……

―――
――


『終わったー。もう5時か。』


重い腰を上げて、職員室に向かう。


コンコン

『失礼します。中村先生終わりました。』

「ご苦労さん。お前、やれば出来るんだからちゃんとやれよな。」

『はい。』

「じゃぁ気をつけて帰れよ。」

『さようなら。』

職員室を出て外の様子をうかがう。

雨はやむ気配はない。


< 6 / 292 >

この作品をシェア

pagetop