君に恋した


『………。』





呆れて言葉も出ない。





こいつらはこんなのが楽しいのか…アホらしい…。






どこからともなく、クスクスと言う、笑い声が聞こえる。






『………はぁ』





ため息をついて机を探しに行く。








途中、登校中の倉原蓮と猫女…じゃなくて、長谷川里奈が歩いてきた。






「香凛ちゃんおはよーどこ行くの?」








『………どこでもいいでしょ。』







そう言って再び歩き出す。




私の後ろ姿に向かって、長谷川里奈が不敵に笑った。









――――
―――
――






案の定机はごみ捨て場にあった。





『なんと…。』






机には、"うざい"キモい"消えろ"学校来んな"などと定番な文字がならんでいた。







勘弁してくれ。






と思いながら、とりあえず、机を持って教室に戻る。





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