君に恋した



教室を飛び出して来たのは屋上。






『………っう。』








一人になったとたん、堪えていた涙が溢れだした。







私はこんなに弱くない。







今までだって辛いことはたくさんあった。でも、こんなに悲しくなったのは久しぶりだ。








『あはは。私、バカみたい。』







携帯に付いている、イルカのストラップを見る。







お揃いのストラップ。







外して捨ててやろうと思った。








でも、何故か出来なかった。






――――
―――
――



< 93 / 292 >

この作品をシェア

pagetop