野球部のあなたとあたし
「も~~~~!!あたしもう嫌っ!!」


無性にイライラして、購買でパンを4つ買い込んだ。


こうなったらヤケ食いしたる!!


「美那ぁ……。太るよ~……」

「もうわけわかんないっ!!太ってもいいっ!!!」

「金なくなるよ~」

「どうでもいいっ!!!」


パンを大口で頬張るあたしを、沙弥がしらけた目で見つめる。


「美那。あんたなんでそんなにイライラしてんの?」


ピタッと頬張るのを止めた。


「何があったのよ。何にイラついてんの?」


何に……。


あたし、なんでこんなにイライラしてんの?


夏川くんに無視されたから?


夏川くんと女の子が話しているのを見たから?


………違う?



この気持ちが何なのかわかんないから……?


「……美那」

「……わかんないよ」

「え?」

「この気持ちがなんなのか、わかんない。夏川くんのことはいい人だとは思うよ。なのに、無視されて落ち込んだり、女の子と話しているのを見るだけで泣きたくなったり……。わけわかんない。他の人だったら、こんなこと思わないのに」


この気持ちは何?


あたしはどうしたいの?


何が……したいの?
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