野球部のあなたとあたし
激しく降り続く、嫌な雨……。
傘があたしの頭の上で、雨を弾く。
「おはよう沙弥」
昇降口の前で、親友の沙弥と会った。
「あ、美那!今日は早いね」
「早起きしたから」
「いやーね、雨」
沙弥も恨めしそうに灰色に染まっている空を見上げる。
「おはようございまーす!」
「しゃっすっ!」
あたしらの気持ちとは裏腹に、雨を吹き飛ばすような元気な声。
靴箱の前で、野球部の人達は教室へと向かう人達に挨拶をしている。
雨の日の、野球部の日課。
「頑張るね~、野球部」
沙弥が後ろを振り向いて、何気なく言う。
頑張ってる……か…。
うちの野球部は、晴れようが雨が降ろうが雪が降ろうが、練習練習練習の毎日。
休みなんてほとんどない。
だから、大会ではいいところまでいくし、練習してるところはかっこいいんだけど……。
「行こうか」
意を決して、靴を履き替えて挨拶をしている野球部の前を通る。
「おはようございます!」
一際通る声のあいさつを聞いた瞬間、あたしは早歩きでそこから立ち去った。
もう、忘れたと思ったのに…………。
傘があたしの頭の上で、雨を弾く。
「おはよう沙弥」
昇降口の前で、親友の沙弥と会った。
「あ、美那!今日は早いね」
「早起きしたから」
「いやーね、雨」
沙弥も恨めしそうに灰色に染まっている空を見上げる。
「おはようございまーす!」
「しゃっすっ!」
あたしらの気持ちとは裏腹に、雨を吹き飛ばすような元気な声。
靴箱の前で、野球部の人達は教室へと向かう人達に挨拶をしている。
雨の日の、野球部の日課。
「頑張るね~、野球部」
沙弥が後ろを振り向いて、何気なく言う。
頑張ってる……か…。
うちの野球部は、晴れようが雨が降ろうが雪が降ろうが、練習練習練習の毎日。
休みなんてほとんどない。
だから、大会ではいいところまでいくし、練習してるところはかっこいいんだけど……。
「行こうか」
意を決して、靴を履き替えて挨拶をしている野球部の前を通る。
「おはようございます!」
一際通る声のあいさつを聞いた瞬間、あたしは早歩きでそこから立ち去った。
もう、忘れたと思ったのに…………。