野球部のあなたとあたし
「おはよ~美那!」

「沙弥、おはよう!」



―――半年前。





沙弥といつもの待ち合わせ場所で合流。


まだ、息が白くてあたし達が1年生だった頃。



「あ、美那巻いてる!」

「いつもより早起きしたから、ちょっとやってみた」

「かわい~!でも学校着く頃にはとれんじゃない?」

「あたしも家出て気付いた」

「あははっ!何それ~。相変わらず抜けてるね」

「まあ仕方ないよね~」

「でもいーなー。美那そういうの似合ってて。うちなんかヘアアレンジのしようがない」

「そう?」


あたしは沙弥のストレートヘアがすごく羨ましいけど。








「はー!間に合ったあ~」

「ギリギリセーフだね」


あたし達っていつもギリギリで学校に着く。


2人ともギリギリになって焦るタイプだから。


「あと3分だよ」

「い、急げ急げ!」


駐輪場へ自転車を置きに行こうとした時。




ガッシャーンッ!!!!




「ったあ!!!」


前から衝撃がきて、あたしは自転車から投げ出された。

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