君に届くまで…
小3年の時…あたしは一人ぼっちになった…。
あたし達は4人家族だった…
お母さんとお父さんは仕事が忙しかったからたまにしか家に帰ってこない日が多かった。
あたしには3つ上の兄がいた。
優しくて…頭がよくて…運動が出来て…
いわゆる完璧な人の事だろう…。
あたしはそんなお兄ちゃんが大好きだった。お兄ちゃんは毎日あたしに
「大丈夫。お母さんとお父さんはもうすぐ帰ってくるよ。だから二人で待ってよう?」そう繰り返し言ってた。
だからあたしはちっとも寂しくなんてなかったんだ。
もうすぐでクリスマス!
そんな時に事件は起きたんだ。
久しぶりにお母さん達が仕事を早く終えて帰って来た。なぜなら今日はあたしの誕生日でもありクリスマスだからだ。
あたしは嬉しくてたまらなかった。
早くケーキが食べたい…とか早くプレゼントがほしい…とかそんな事ばかり考えていた。
「たっだいまぁ〜お母さん!お父さん!
おかえりなさい!」
あたしは玄関をあけると中へ向かって叫んだ。すると、お父さんが
「美那海、今からみんなでケーキを買いに行こう。」
そう言った。
あたし達は車に乗って海の近くにある
『海色のsweet』
とゆう小さい頃からよく行ってたケーキ屋さんに向かった。
店内にはたくさんのおいしそうな
スイーツが並んでた。
「美那海、好きなのを選んでいぃぞ。」
あたしはずっと気になってたケーキを選んだ。
買い物が終わって車に乗り、家に向かった。
……………。
(ぇ?なにが起きたの?)
一瞬の出来事だった。
あたしは何が起きたのか分からなくなり
とっさに車から降り、走って逃げた。
ここがどこだか分からないけどひたすら走った。
近くに見えた公園のベンチに座り、ひたすら泣いた。わけも分からないまま…声を上げて泣いた。
そう…お父さん、お母さん…そして
1番そばにいてくれてた大好きなお兄ちゃんが死んだ。
即死だった。対抗斜線から走ってきたトラックが誤ってあたし達が乗ってた車にぶつかってきたらしい。
お兄ちゃんは…あたしを助けたんだ。
あたしの上に覆いかぶさって…あたしが被害を受けないようにって…
それを知ったのは次の日だった。