THE ウェーブ
その日は晴れ
波もおだやかで
こんな捜査に
関わっていることを
忘れさせて
くれそうなほどだった

やがて
現場へつき
部屋へ入った

妙な感じだった…

誰も入ることの
出来ない部屋に
まるで
ついさっきまで
人がいたかのような
気がした

被害者の女性は
海が好きだったのか
部屋には
海の写真や絵
イルカの置物などが
飾ってあった

ふと
一枚の写真に
目がとまった

どこかで
見覚えのある海だった

ワシは
あの日の海を
思い出した

あの土砂降りの中
おだやかに
この家に向かって
流れる
あの海だった

その日は
カラッと晴れていた
あの日不思議に
思ったあの海を
ワシは
すっかり忘れていた

ワシは部屋の窓から
カーテンを開き
その海を
見つめた

その日は
普通の海に見えた

家の前には
不思議な海…

部屋には
たくさんの
海の写真…

謎の印
ウェーブ…

何か
関連があるのか…

ワシは
その不思議な海の
写真を
ポケットにしまい
持ち帰った


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