ダンデリオン*リング ~真心の愛~
「急に何言い出すのよ。
 いつもクロミって呼んでじゃん。
 いつもどう「亜美、真剣に聞いてくれ!」
 浩史・・・」


いつもとはまったくの別人のよう。

真剣な顔をしている浩史。

突き刺すような、
瞳からの視線。


「俺な、もう(しろし)と(クロミ)
 って呼びたくないんだ。
 昔付けた、あだ名だったし、
 特別な呼び方だけどな、
 もう、俺達高校生だぜ?
 だから、お前と真剣に向き合いたい。
 お前を誰かに、取られそうで・・・」

切ない顔をして、悲しそうに、

喋っている浩史。


がし!

浩史が亜美の腰に手を回した。


浩史が私に、抱きついてきた。
うんうん、違う。
擁護的な感じ?抱き合ってる?


好きだって、言ってくれないと
わからないよ。
どうして?
私はあなただけを見ているのに。


亜美も浩史の背に手を回した。

ぎゅっと、力強く。


「今のままじゃ駄目か。
 私の浩史へ対する気持ち。
 ちゃんと伝わってない?」


浩史さらに力が強く亜美に抱きつく。


友達以上、恋人以下。

そんな関係ってありなのか?
お前が好きなんだ・・・。




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