ダンデリオン*リング ~真心の愛~
「お前との関係。上辺だけじゃ、
 友達以上、恋人以下じゃん。
 心で思い合ってるだけで、
 本当に満足なのか!?
 お前は、小学生の時、
 俺にお前の心は、
 俺だけの物って言って」


浩史の手がわなわなと震えている。

苦しむ声を出して、喋っている。


「なあ、どうしても駄目なのか? 
 心で解っていても、不安なんだ!
 ガキの頃の、好きじゃないんだ。
 もう、お前を一人の女としか見れない」


浩史、心で思い合うだけじゃ駄目なの?
泣かないで、私を困らせないで!
あなたへの、
思いをずっと堪えていたのに。


「もう、異性として。女性として。
 お前を見ているんだ・・・。
 彼女になってくれないか?
 お前が恋なんてしないって、
 言ってるのは知ってる。
 お前は何を恐れて、
 恋をしないんだ?」


お願い、私の心を揺さぶらないで。
恋なんてしないって。
何を恐れているかって?
理由は簡単「約束」のせい。


「浩史、私が恐れて恋をしてない 
 って、気が付いたんだ・・・。
 浩史、私を本当に思ってくれて、
 愛して、沢山好きって言ってくれる?」




私はただ臆病だっただけかもしれない。

生まれる前からの「約束」

それが怖くて、とっても嫌だった。

私の人生のシナリオは、

もうすでに出来上がっているけど。

あなたの気持ちも一緒だったのに。

ずっと、昔から。






 
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