ダンデリオン*リング ~真心の愛~

近くにいた、ホールの人に話しかけた。

「あのすみません、私黒川と申します。
 兄の竜平は今いませんでしょうか?
 妹が来ていると伝言をお願いしてもいいでしょうか?」

今日は厨房・キッチンにいるであろう兄に伝言を頼むことにした。
仕事中に呼び出すの、あんまりしたくないけど・・・。
クーポン券のため!おにいごめん。


「黒川君のこと?ちょっとまっててくれますか?
 厨房にいると思うからみてくるわ」

「すみません、よろしくお願いします」


2分後、厨房の方から身長の高い人物がやってきた。
コックコーロをきたでっかい男の人・・・。
おにい(竜平)である。
そう、兄弟そろって身長高いです、ちなみにおにいは187cm。


「亜美お前、勤務中に何かようか?
 今はまだラッシュの時間帯じゃないからいいけど。
 で、用件はなんだ?」

おにいのコックコート姿の初めてみるなー・・・。
いっつもはホール係の時にしか来たことなかったから。
なんか似合ってる?ような似合ってないような。微妙。
はっ、それよりもクーポン券!!


「お仕事中すみません。
 おにい~いつものあれよ!クーポン券下さい。
 お願いします。今友達と来てるから」

「友達?今日はお前の入学式だったな。
 新しい高校の友達か?しろしときてるのか? 
 ファイナルアンサー!」

「何がファイナルアンサーよ・・・。
 今日はしろしはいないよ。高校で新しく友達になった子だよ」

「むむっ、のりがをるいなー亜美よ・・・・。
 クーポン券やるから早く席戻れ。
 友達またせてるんだろ?ほら、これ」

竜平はポケットからクーポン券を出して
「ほらよ、ありがたく使えよ」と言いながら亜美に渡した。
従業員特典のクーポン券である。

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