Cigarette Choco -曖昧な関係-
―――…
何もなかったように、また始まった朝。
私は重い身体を起こして学校へ向かうことにした。
ちゃんと真面目に通って、卒業。
それが一番の孝行だと思ったから。
でもその強い思いに身体は付いてきてくれない。
「はぁ…」
廊下の寒さに、身震いする。
授業を受ける気力もない。
保健室まで行く気力もない。
楓と出会ったあの日みたいに、教室に一番近い階段の隅っこに座り込んでいた。
昨日のことが、
もうはるか昔のように感じることが少し寂しい。
楓…何してるんだろう。
重い頭を上げてそんなことを考えていると、
「あれ?どうした~?」
後ろから声がした。
人懐っこい可愛らしい声。