Cigarette Choco -曖昧な関係-
姿を確認しなくても誰だか分かる。
「先生……?」
振り向くとやっぱり先生、
……先生だった。
声と同じく人懐っこい笑みを浮かべながら、彼は優しくあたしの頭の上に手をのせる。
「またサボりか?」
なんて言って笑う先生をちょっとだけ睨みながら、「違いますよ」そう素っ気なく言い返して、顔を伏せた。
正直、話したい気分じゃなかったから。
そんなあたしの気も知らないで、
先生は聴いたこともないような口を口ずさむ。
陽気なメロディーを感じながら、私は目を閉じた。