Cigarette Choco -曖昧な関係-
【side.K】
何気ない、いつもと同じような日。
そう思っていた。
佐奈に作ってもらったお弁当を広げる。
彼女らしい凝ったお弁当。
部下の拓郎と二人、屋上の隅でランチ。
OLさんたちの華やかさは無く、むさ苦しい面子だ。
「あ、佐野さん! そういえば…」
メロンパンを頬張る拓郎に、バンッと背中を叩たかれる。
……なんか嫌な予感する。
拓郎がこんなに目を輝かせてるなんて、ろくなことじゃない。
『今日、キャバ行きませんか?』
『合コン数あわせで来てくださいよー』
きっと今回もこんな感じだろう。
断るけど。
ま、でも聞いてはやるか。
思い出すように話し始める彼の話に耳を傾けた。
「前、出張行ってたとこの駅前に…小学生みたいに小さい子が路上ライブしてて、めっちゃ可愛かったんですよー」
「へー、そう」
「可愛くて声かけたんすけど、高校生らしくて」
「お前、趣味ロリコン寄りだもんなー…」