Cigarette Choco -曖昧な関係-
伏せた目をゆっくり開ける。
あたしは目を奪われた。
太陽の光のせいで、
楓の髪……
まっすぐな目………
すべてがキラキラと輝いて見える。
「髪…真っ黒じゃないんだね」
少し茶色っぽかった。
暗かったから、真っ黒だと思ってた。
「俺、一回も染めたことないよっ」
そう自慢げに鼻を鳴らす彼に思わず笑ってしまう。
でも……
幸せの時間ももう終わる。
楓と過ごした一夜。
もう二度と来ない……
そう自覚すればするほど、食べ物が喉を通らなくなった。