Cigarette Choco -曖昧な関係-
たくさんの想いに飲み込まれそう。
憎悪、嫉妬、怨望、
汚い心。
汚い想い。
「そんな大人にはなりたくない」
そう言っていたあの頃が懐かしい。
あの頃の自分に謝りたい。
私の横を通り抜けるたくさんの人たち。
温かい家に向かう、働きつかれた安月給のサラリーマン。
今を思いっきり楽しんでる、恥だらけの高校生。
分かってる。
分かってること。
幸せな彼らの瞳には、私は雑草と同じようにどうでもいいのだ。
踏まれようが、枯れようが、
誰が私なんかに……
「大丈夫?」
低くて、でも通る心地よい男の人の声。
頭上で響いた凛とした声。