ありがちな恋
愛奈は誓いどおり静かにしていた。


宿題が終わり愛奈と談笑しているときに
今日授業中にあった出来事を聞いた。

「お、お前!そ、それはププッ!バカじゃねえの!」

俺はこれでもかというくらい高らかに笑う。
なんと授業中に大声で叫んで先生に頭を叩かれたと言うのだ。
これが笑わずにいられるわけがない。だから遠慮なんかせずに
笑ってやった。

「そんなに笑わなくたっていいじゃん」

「いやいや。そんなこと言われてもププッ!ダメだ!笑いが出る!」

「だれ...せい...おもっ...の」

「え?なんて?」

俺は笑い続ける。

「誰のせいだと思ってるの!!!」

愛奈はこれでもかというくらいの大きな声で
怒鳴る。

「お兄ちゃんが!お兄ちゃんが!近くて分からないなんて
いうから!私は・・・私は!」

「お、おい」

「もう知らない!」

愛奈は怒りながら部屋を出て行った。自分の家に帰るのだろう。
程なくして隣の部屋の電気がついた。笑い過ぎたのがいけなかったのだろうか?

それにしてもあれはどういう意味なんだ?
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