ありがちな恋
愛奈は部屋に帰るなり自分のベッドに飛び込んだ。

(お兄ちゃんのせいで笑われたのに、お兄ちゃんが
あんなこと言うから!!)

お気に入りのぬいぐるみを抱きながら一人考えている。
だが考えているうちに冷静になりやってしまったと思った。

(どうしよう!ちょっと理不尽すぎたかな?
嫌われたらどうしよう?)

そう思ったが問題ないと気づく。伊達に何十年も
幼馴染みをやっていないのだ。だが今回はそれせいで
こんなことになってしまった。近くて遠い。まさしく文字通り。
でもそのおかげで分かることもある。多分そろそろ健が
愛奈を訪れて部屋に来る頃だろう。

コンコン

「だれ?お兄ちゃん?」

「よく分かったな。入っていいか?」

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