ありがちな恋
「ほら行くぞ。ていうか愛奈、傘は?」

雨が降ってるのに愛名は傘を持っていない。

「それがな、なかったの!だからお兄ちゃんの傘に
入れてよ!」

「ああ。そういうことなら入れてやらんこともない。
感謝しながらはいるがよい。

「なんでそんなにえらそうなのよ。バカみたい♪」

もう一度叩いてやろうかこいつの頭を。叩くのはやめて
足を進めることにした。こんなことばっかりしていると
目的地まで永遠に着かないからな。

「あ、待ってよ。ぬ~れ~る~よ~!」

「早く来いばか。置いてくぞ」

「お兄ちゃんの意地悪!」

罵声が心地いいぜ。
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