ありがちな恋
お互い家に帰った頃。
愛奈はまだ笑っていた。

「お兄ちゃんには、好きな人がいない!
一番親しい女の子は私!フフフッ」

独り言をこぼすくらいの浮かれようだ。
だがそれもしょうがないことだろう。
愛奈にとっては吉報そのものなのだ。

さっきリビングを通って部屋に入るときにも
母親に不気味がられたことなど気にもしていないだろう。

このままアタックを続ければ恋人同士になれる日もそう遠くはないと思うと、どうしても笑顔がこぼれる。

あとは時間との戦いになることだろう。

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