コエとナミダとオモイデと。
一、想
小さいころから見ていた夢。

お父さんが死んだ。

お母さんも死んだ。

おじいちゃんも、隣のおばさんも、親友もみんな死んでいく夢。

そして、最後に私も死ぬ。

そんな、夢。


見たくない、観たくない、視たくない。

そう心の中で叫んでも、必ずそれはやってきた。


お母さんは言う。

「ミたくないと想うからミちゃうのよ」

そんなことない。

だって、最初に見たときはなにも想ってなかったんだもの。
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