婚約者は俺様なオタク様★
「あれから俺のこと無視してたろ?
“日曜のデート”も行ってないし、お前が親に何か言われてたら、ちょっとは俺の所為だしさ。
大丈夫だったのか?」
そう言った高田の目は、ちょっと寂しそうだった。
たぶん私の気のせいかもしれないけど。
「親は…大丈夫。
ってかさぁ、何で…キスしたの?」
ずっと前から気になってた。
ただ女に餓えてただけかもしれないって思ったけど、あんなオシャレなBARに働いてるし、あの時の高田はハッキリ言ってかっこよかった。
だから、高田に近寄ってくる女は少なくないと思う。
「…………」
無言のままの高田。
男ってどうしてこう都合悪くなったりしたら無言になるのかな…。