成金美男子達VS貧乏美少女
次の日…―
『やっば〜い!!!遅刻ーっ!!!』
完全に寝坊してしまった私は猛ダッシュで支度を終えた
『また居残りだ!!!』
遅刻歴が多々ある私は居残りと言う最悪な状況を想像していた
慌てながら急いで机の上にある家族写真に挨拶した
『行ってきます!お母さん、お父さん』
私の父と母は海外で働いている
言わば単身赴任ってやつ 何の仕事をしているかは知らないけどね…
『やっばい!急がなきゃ』
私は家を出ると走って学校に向かった…―
『あと少しで着く…』
全力疾走のかいあってギリギリセーフで間に合いそうな時間帯になった
ドンッ…
「あ…」
「よそ見してんじゃねぇよ!ばばぁ」
近くの道路でビラを配っているおばさんに男がぶつかってばらまいてしまっていた
『ちょっと!ぶつかってきたのはあなたでしょ!?謝って下さい』
「な…何だよお前っ」
急に怒鳴ったもんだから男だけでなくおばさんもびっくりしていた
『謝って下さい!!!』
「うっうるせぇ!!!」
『あ!逃げた』
逃げるなら言わなきゃいいのに…
「お嬢さんありがとうね」
と言って落ちた紙を拾い始めた
『あ!手伝いますよ!』
近くに落ちていた紙を拾って見てみると沢山の人の名前が書かれていた
『署名…ですか?』
「えぇ…まだまだ足りないけどね…」
と悲しそうに話すおばあさん
『じゃぁ…私も書きますよ!』
「でもいそいでるんじゃ…」
『大丈夫です!これでも走るのが好きですから』
「ありがとう…」
涙ぐむおばあさんをみて私も目頭が熱くなった
「サインもお願いできるかね?」
署名って必要なんだっけ?
『?分かりました』
サインも書き終わりおばあさんと別れた私はまた猛ダッシュをした…―