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第1話
「なんかさぁ」
掃除時間、健司が急につぶやいた。
「…なに?」
「エリカ、お前、どんくさいから嫌われるんだよな。
顔はかわいいのにさぁ」と。
余計なお世話だ。そういうのは健司だけ。
私は結構人並みに友達がいるし、健司とも仲がいいし…。
だから嫌われてないもん。
ムカついて、言い返してやった。
「どんくさくないもん!」
「何言ってんだよ。どんくさいだろ。」
「ちがっ、あ」
泥汚れがついた、汚い体育館シューズが目に入った。
やば…まさか。
見上げると、体育教師、伊藤がいるではないか。
「お前らー、ぺちゃくちゃぺちゃくちゃ
うるせぇぞぉ、きれいになってなかったら、居残り決定だ」
「はぁい」
「お前のせいだな」
「なんでよ!」
バシッ
伊藤がほうきでたたいてきた。
「居残り決定―…だな!」