愛の紅し【極短】


咲いた紅い花に、君は満足そうに微笑んで私のブラウスを直した。

そして私もまた背の高い君の首に手を回し、Tシャツの襟から覗く左の鎖骨の下に


紅い花を散らす


名残惜しげに離れる私の頭を数回なでて、君は頬にキスして去っていった。


3日おきにおこるこの儀式は

物言わぬ彼の静かで激しい

愛の形

束縛と言う名の

愛の約束

『愛してる』
『大好き』

そんな愛の言葉は私達には似合わない

『私のもの、だよ?』
『俺のもの、だろ?』

『君のもの、だから』
『おまえのもの、だから』

愛で縛る

愛が縛る

紅が縛る

紅で縛る

それが私達の
愛の証


-END-
< 5 / 5 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:6

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

らぶ☆でり-サンタさんの贈り物-
華那流/著

総文字数/3,099

恋愛(その他)7ページ

表紙を見る
泥もしたたるいい女
華那流/著

総文字数/2,168

恋愛(その他)8ページ

表紙を見る
哀のウタ
華那流/著

総文字数/1,107

その他2ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop