駆ける…キミト共に
「涼子、久しぶりだな…」
まずは、当たり障りの無い部分から
入っていく。

「えぇ…本当に…」
当然だが、再会を喜び合うだけの
気力など
二人に残されてはいない。

そして、直ぐに本題へと行かなければ
と、
思考が進んでしまう。

だから、なかなか言えなかった。

そのまま、両方
黙ったままである。

本来の家族のあるべき姿を
完全に失った気がした。
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