駆ける…キミト共に
いや、もしかしたら
初めから失っていたのかもしれない。

それを卓が認めなく無かった、
と言っても
何ら疑問では無かった。

卓は、三波や島田を見る勇気が無かった。

(頼るのは、もう止めよう…)
逃げてばかりの人生。
だからこそ、失ったものの方が大きくて、
それに気付いた時には
取り返しのつかない事になってしまっている。

(同じ事を…繰り返したいか?)

―――否。

答えは、直ぐに出ていた。
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