駆ける…キミト共に
「違うの、卓ちゃん……あたしが…全部悪いの…」
途端に、先程の無理やり見せた
強がりが…
暗雲となって、押し寄せて来た。

「何で…だって、
跳ねたのは俺だ!」
ここはやや怒鳴り気味に言わなければならない、
そう思った。

「卓ちゃんは…優しいね…」

涼子は、笑った。

これが、実の子供を失った夫婦だと
誰が信じるであろうか。
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