駆ける…キミト共に
「あんたは、犯罪者かもしんねぇけどさ…俺はあんたに同情したいね。」

ずっと黙り込んでいた運転手が、そう言って
ミラーから語り掛けて来た。

「すいません、すいません。俺は…俺は馬鹿です!
くそぉ!くそぉ!」

城山は、胸が押しつぶされていた。だから、手を胸に当てて苦しんだ。

「お、おぃ!大丈夫か?
もう直ぐだ。な?俺等じゃなくて、被害者の御家族に謝りなよ…?」

そう言うと、肩を支える手に一層の力が込められた。
< 16 / 271 >

この作品をシェア

pagetop