駆ける…キミト共に
樋口は、資料から目を離さず

「おはようございます、兄さん。
あ、法廷では勿論
被告人 と呼ばせて頂きますよ」
と、静かに
やや早口に喋った。

「ええ。了解です」

「昨日は良く眠れましたか、って
そんな訳無いですもんね。
変な気休めは無しって事で」

「そちらの方が、こちらも助かる」
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