駆ける…キミト共に
「そうか…あんた、そんな事があったのか…。
さっきは済まなかった。
俺も、親孝行出来なかった人間でさ…
熱くなっちまった。
ささ。乗んな。行き先は一つだが」

先程の若い人に手を引かれ、立つのを手伝って貰うと

「俺、感動しました。へへ。何か…涙出てきましたよ」
と具に囁いた。

そして、城山は覚束ない足でそのまま
パトカーへと乗り込んだ。

無線がひっきりなしに掛かって来る。
それをベテランらしく
対応している、あの人。

城山は、とても感謝していた。
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