駆ける…キミト共に
恐らく、「隣」とはお隣さんの家の
事では無く
先に寝てしまっていた、たった一人の息子の事を

深く気に掛けての言葉だろう。

そこで城山は少し我に帰った。
「…風呂、入る」

城山は、涼子の返事を待たずして
そのまま洗面所へ向かった。

風呂の中で、城山は冷水を頭から被っていた。
(頭を冷やすって事は…こういう事を言ったりするんだろ?
涼子…)

風呂から上がると、洗面所には着替えが既に
きっちりと用意されてある。

何だかんだ言っても、妻は妻だった。
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