駆ける…キミト共に
と言って、部屋の丁度腰掛けている
席から見て右側に、
一つの洋式なドアがあった。

「分かるか?私は、帰りたくても帰れず、喧嘩をしたくても
そんな元気も無いし。
君とは違って、仕事から帰ると互いに
意見を尊重し合うから、

口論にもならん」

城山は、下に目線を落とし昨晩、涼子を殴った手を
見つめていた。

「だけど、君は良かったよ」

「はい?」
不意打ちな一言を喰らい、
思わず顔を上げた。
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