駆ける…キミト共に
(駄目だ…今、泣いたら駄目なんだ…)

卓は、辛い時も悲しい時も
常にあの姿を想像しながら、何事にも前向きにやって来た。

(崩れた…)
それは、
足元からガラガラと、奇妙な音を醸し出しながら
苦しい心と共に
崩れて行く。

崩れた欠片は、どんなに強力なテープで繋ぐ事も出来ず

直ぐに、くっつく接着剤みたいに
いつまでも、側にいる事も出来無かった。

城山は、それでも何処かにやり切れない思いがあった。
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