STORIES
たった一つの、変化
――――
『また眠そーな顔して。』
そう言い、くしゃっと私の髪をぐちゃぐちゃにする。
「もー!またっ、直すの大変なんだからね?!」
もうっ、と怒りながら鏡で髪の毛を軽く直す。
毎朝毎朝こうやってセットした髪を崩されて、だんだん慣れてきた。
『いいじゃん。僕、美希の髪撫でるの、すきだし。』
ふわっと笑う、真。
朝からこんな笑顔が見れるなら、髪くらい、いいかな。
end