STORIES
結局、過去
『じろーう。』
生徒はもう皆帰ったであろう放課後の教室で、私が放った言葉。
「…一郎だし。つか次郎って誰だよまじで。」
はあっとため息をはく一郎。
『だって明らかに次郎って顔だよね。うん、顔とか顔とか顔とか。』
「顔しか言ってねーっつの。…もう、次郎でも三郎でもなんでもいいわ。知らね。」
俺帰るわ、と机の横にかけてあった鞄をとって立ち去ろうとする一郎。