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一郎は俯きながら言った。


絞りだしたような声だったけれど、

『もう、いまさら無理だろ。俺が何言ったって、過去は変えられないんだ。』


ただつらそうな顔で、悲しそうに言うから、それ以上は何も聞けなかった。


「…会ってこよう？田中くんに。」


今すぐじゃなかったって大丈夫だよ。

何もしなくて終わるのは、たぶん一番いけないと思うし。


「……私も、一緒に行くから。」


やっぱり一郎が田中くんと話合うべかだと思うから。


私がそう続けると、一郎も今度はしっかり答えをだしたかのように、頷いた。



『―――わかった。』