STORIES

――なんで田中はいじめられているのだろう。


「ね、田中。…っ痛い?」

っと息をつまらせた彼は。

『痛くないよ。…つらくない。』


そう自分に言いきかせるかのように、答えた。

――泣きそうになりながら。




私達が話せるのは放課後、誰もいなくなってからだけ。





自分を犠牲にしてそれを助ける程、私は強くない。









世界中に私と田中だけしかいなかったら、よかったのに――。



end
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