恋する*バッテリー。


手を引かれたまま

私はグランドの隅に連れてこられた

何か壁にまとのようなものが描かれてある


「ここは…‥―!」

きっとここでいつも投げているんだろう

壁の的にはたくさんのボールの跡がついている

「俺さ…

中学ではピッチャーだったんだよ

ピッチャーでエース任されてた

でもさ、さすが名門校だよな
俺なんかより強いやつなんてごろごろいやがる」

強くなりてぇ」

不思議

私の回りにも同じような野球馬鹿がたくさんいるが

こんな感覚は初めてだ

彼の話しに

いや

彼に引きつけられる




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