いいから私の婿になれ
放課後。

「くそっ、腹立つわ~黎児のアホ」

ブツブツ呟きながら、真琴は校門を潜る。

真琴は故あって部活はしていない為、授業が終わるとすぐに下校する。

普段は放課後は『バイト』をしているのだ。

だが今日はそのバイトも休み。

久し振りに少し寄り道してみようと思っていた。

…真琴の通う男子校は、比較的賑やかな中心街に程近い。

駅のすぐ近くにある男子校。

そこを中心に、一通りの店は揃っている。

中でも大手電器店やネットカフェ、ゲームセンター、メイド喫茶、ホビーショップの立ち並ぶ一角は、全国各地から『その手』の客が訪れる聖地となっている。

真琴はそういう趣味嗜好は持たないものの、時間潰しにネットカフェ程度は利用する事も多かった。

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