いいから私の婿になれ
真琴の通うこの店は、比較的『オタク』の匂いが少ない。

別に趣味嗜好はそれぞれ、誰が何をしようと悪く言うつもりはないが、少なくともクラスの連中のような『ハード変人』は見かけた事がない。

だから真琴は好んでこのネットカフェに通っていたのだが。

(唯一の癒し空間が、黎児みたいな廃人に汚染されとる…駆除や!バイオハザードになる前に駆除せんと!)

怒りの形相で店内にズカズカと入り込んでいく真琴。

利用料金も払わずに店内の通路を歩いていき、目的の個室まで到達すると。

「あいてっ!」

真琴はいきなり個室に侵入し、耳の穴をほじりながらネットゲームに没頭している黎児の頭を引っぱたいた!

「なっ、おまっ、真琴?」

「何こんなとこでマッタリくつろんどんねん!廃人は自分の部屋に引きこもっとれ!」

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